Q 「カテゴリーエントリーポイントを見つけて、それからどうするの?」
「新規獲得や市場拡大を進めるための戦略立案を知りたい」
A CEPに優先順位をつけ、どの時期に、誰に、どんなコミュニケーションを行えば効果的に浸透率を拡大していけるかを分析し、マーケティング・ミックスに落とし込んでいきます。
<背景>
新規獲得や市場拡大をゴールに据える場合は、カテゴリーエントリーポイント(CEP)をベースにしてマーケティング戦略を考えることが効果的です。マーケティング戦略というと、とかくSTPや顧客ロイヤルティを前提に考えがちですが、それらの戦略が有効なのは顧客相手の場合です。つまり、ブランドと購買行動を結びつける属性や評価軸がすでに存在し(i.e. “20代男性”、”リラックスしたい”)、そうした軸で顧客を分けたりターゲティングすることができる場合です。
未顧客の場合、ブランドと購買行動を結びつけるリンクが無い状態がスタートになりますから、既存の評価軸で分けたり、ターゲティングしても意味がないわけです。 むしろ、ブランドと購買行動を結びつけることができるリンクを見つけて、それを強めていくこと自体が戦略の要になります。
<調査・分析のポイント>
まずは、CEPに優先順位をつけます。どのCEPで自社が有利なのか(メンタルアドバンテージ)、CEPがどの競合と結びついているのか(メンタルコンペティション)、CEPの市場規模はどの程度あるのか、CEPのヘビーユーザー/ライトユーザーの比率はどうか、という4視点で絞り込んでいきます。それらの指標をもとにCEPの投資価値を判断し、浸透率が最大になるように、「いつ」「誰に」「何を」「どうやって」というマーケティングミックスの要素を組み合わせて計画を立てます。
カテゴリーエントリーポイントの優先順位を判断する基準:
- どのCEPで自社が有利なのか(メンタルアドバンテージ)
- CEPがどの競合と結びついているのか(メンタルコンペティション)
- CEPの市場規模(頻度)はどの程度あるのか
- CEPのヘビーユーザー/ライトユーザーの比率はどうか
「ヘビーユーザーの多いCEPの方が有利なのでは?」と思うかもしれませんが、ヘビーユーザーだけ見ていると、市場拡大に必要なライトユーザーやノンユーザーを広く巻き込む転換フェーズに入るのが遅れます。また、ヘビーユーザーのCEPがライトユーザーのCEPとは異なる場合も多くあります。ローンチ直後はヘビーユーザーの比率が多いCEPに投資して話題作りを重点的に行い、普及フェーズに入ったらライトユーザー比率の多いCEPを強化していくというように、CEP施策をコントロールして、ブランドの顧客基盤をNBD(負の二項分布)に基づく適正比率に近づけていきましょう。
CEPの投資価値を総合的に判断し、ブランドの浸透計画を立案する
手順1:メンタルアドバンテージの評価
プラスのスコアは「メンタルアドバンテージ=ブランドとCEPのつながりが強く、そのCEPで想起されやすいこと」を表す。
手順2:メンタルコンペティションの評価
メンタルコンペティションが高いCEPは、「現在そのCEPからは競合が想起されやすい」ことを表すため、基本的には避けるべきと解釈される。
手順3:負の二項分布に基づいた投資価値の評価
CEPの規模およびヘビー/ライト比率は、どの時期にどのCEPを強化すべきかを示す。ブランドの顧客基盤をNBD(負の二項分布)に基づく適正比率に近づけるという視点から、各CEPの投資価値を判断する。
手順4:分析結果に基づいて浸透率拡大の計画をつくる
手順1~4の分析結果から、浸透率の期待値が最大になるように、短期/長期に取り組むべきCEP、取り組む順序、それぞれのターゲット層、CEPと結びつけるべきブランドの独自性、タッチポイントなどを特定していく。
カテゴリーエントリーポイント(CEP)の関連手法
-
オルタネイトモデル
未顧客理解のツール:「オルタネイトモデル™」とは どんな企業のどんな商品でも、… -
ABCW調査
Q 「カテゴリーエントリーポイントとは何ですか?」 「どうしたらCEPを見つけて、活用する… -
アドバンテージ&コンペティション分析
Q 「カテゴリーエントリーポイントを見つけて、それからどうするの?」「新規獲得や市場拡大を… -
ゲーム分析
Q 「メンタルアベイラビリティとは何ですか?どうしたらメンタルアベイラビリティを高められま… -
T.O.F.ランドスケープ
Q 「新規獲得や市場拡大に向けた戦略/施策の効果はどう測定する?」 「非購買層やライトユー…