株式会社Mizkan 田中保憲 氏
ミツカンの鍋つゆはシェアNo.1を頂いており、そのトップブランドは「〆まで美味しい鍋つゆ」というシリーズです。
どんな企業のど お鍋はお客様が自由に食材を入れて楽しむ料理です。そのため、鍋つゆには、どんな食材をどんな量入れても、冷めてしまっても、何より最後の〆を食べているときまで、ちゃんとバランスが崩れずに美味しいことが求められます。
「〆まで美味しい鍋つゆ」は、口に入れてから飲み込むまでの時間差で、口に入れたときの「先味」、食材を噛んでいる時の「中味」、飲み込んでからの余韻「後味」の3つに分けて味のバランスを設計しており、そのこだわりがあるからこそ「〆まで美味しく食べられる」と考えております。
本シリーズに関しては、おかげさまで多くのお店で目立つ場所に置いていただいているため、「寒い、お鍋が食べたい→お店で手に取りやすい場所にある鍋つゆを買う」というシンプルな未顧客獲得の構造はあるのですが、リピートを獲得していくためのループには、前述の 「〆まで美味しく食べられる」特徴が関与していると考えています。
⚫ きっかけ:寒い、お鍋が食べたい
⚫ 行動:売場でたくさん展開しているミツカンの鍋つゆを、あまり考えず手に取る。よく見たら「〆まで美味しい」と書いてあるので、オススメの〆をやってみる
⚫ 報酬:〆(最後)に満足感があって終えるため、食事全体の印象がアップ
⚫ 欲求:またあの〆を味わいたい
⚫ 次の行動:「〆」のマークを目印に、いろいろな鍋つゆにチャレンジ
また、鍋つゆはどうしても需要が秋冬に集中する傾向があります。 しかし、台湾やタイ、ベトナムなどでは、暑くても一年中熱いものが食べられています。ここには、暑いからこそ熱いものを食べて汗をかいてスッキリしたい、といった「顧客の合理」があるのではと考えており、これは日本でも当たり前にできるのではと考えています。
そこで「〆まで美味しいキムチ鍋つゆストレート」なども活用しながら、春夏の鍋需要という新たな未顧客の獲得を目指しています。