Collexia

コンタクトポイント・フォーメーションデザイナー

コンタクトポイントの選択と編成「購買行動を起こさせる」

コミュニケーションゴールに対して、最適なコンタクトポイント編成を行う

Q コミュニケーションのゴールを達成する為に最適なコンタクトポイントの選択と編成を行いたいのですが、良い方法はありますか?

自動車メーカーでプロモーションマーケティングをしています。現在「直営の販売店へターゲット消費者を出向かせる」事をゴールとしてコンタクトポイントの見直しを検討しているのですが、どの様に考えれば最適なコンタクトポイントの選択と編成が出来るのでしょうか?コンタクトポイントの設計に関しては今まで経験や概念的な行動モデルに基づいて行ってきたのですが、正直それが本当にターゲット消費者の動きと合っているのか、無駄・モレはないのか、定量的に妥当なのか等については分かりません。

A 消費者の行動喚起や態度変容などの、コミュニケーションのゴールに対して効果的なコンタクトポイントの判別/取捨選択と、コンタクトポイント間における行動導線の設計を行い、消費者をゴールまで正しく誘導しましょう。

コンタクトポイントの編成を考える時、ターゲットはどういうパスを辿って最終的に来店するのかという「消費者の行動シナリオ」をイメージされると思います。その際経験や勘に頼るのではなく、実際に来店してくれた消費者が辿ったコンタクトポイントのパスを解析して、コミュニケーションゴールに対して効果の高いコンタクトポイントを見つけ、「来店(行動)シナリオ」を視覚化し、それを基にコンタクトポイントを編成する事をお勧めします。

マーケティング現場の事情と課題

コンタクトポイントでのコミュニケーション戦略立案に際して、多くのマーケターやプランナーはターゲット消費者の日常の行動をイメージしながら、「どのコンタクトポイントを使い、どういう導線を張る事で、企業が期待する購買行動や態度変容をターゲットに起こしてもらうか」というコミュニケーションシナリオを描かれると思います。例えば、「まずTVCMと屋外の大型POP、駅構内でティザー広告を流し興味を引きつけ、雑誌と新聞広告でステータス性とデザインの高さを訴求する。同時に大型の検索サイトとCGMのトップバナー広告からブランドの特設サイトに誘導して、機能の優位性を十分に理解してもらい・・・」のようなシナリオです。

コミュニケーションゴールをどれだけ効率よく達成できるかは、このコミュニケーションシナリオの出来の良さに大きく左右されます。つまりシナリオの中で、

 ・ターゲットとコミュニケーションゴールにどれだけ合ったコンタクトポイントが選択できているか
 ・コンタクトポイント間に、ターゲットの日常の動きとどれだけ合った導線を張れるか

という点です。

様々なコンタクトポイントと、色々な組み合わせが考えられる訳ですが、ここではコミュニケーションの確度を上げるシナリオメイキングをサポートをする為の手法として、「期待する行動や態度変容を実際に起こしたターゲットが、どういうコンタクトポイントをどういう順番で経てそこに辿り着いたか」というパスを解析し、成功シナリオを見える化する方法を紹介します。

ちなみに、コンタクトポイントの設計に関する重要な要素としてもう1つ、「どのコンタクトポイントで、どのようなメッセージを伝えるか」が挙げられます。それについては、コチラの手法をご覧ください。

分析のゴール

「ターゲットをメーカー直営の販売店へ出向かせる」というコミュニケーションゴールに対して、最適なコンタクトポイントの選択と編成を行う。

分析のロジック

1.コンタクトポイントの抽出
ターゲットとなる消費者がブランドと接触する接点を、可能な限り広く洗い出す。

2.コンタクトポイント別に接触状況を測定
ターゲット消費者へアンケート調査を実施し、1で抽出したコンタクトポイント別に、ブランドとの接触状況を測定する。

3.行動・態度変容の測定
2のコンタクトポイントとの接触パターンと紐付けて、コミュニケーションのゴールとなる行動や態度変容の有無を測定する。つまり、コンタクトポイントでの様々なブランド接触パターンにより、「メーカー直営の販売店へ出向く」という行動がどう変化するか、というデータを測定する。

4.コンタクトポイント間の経路マップ作成
2と3で得たデータを解析し、ターゲット消費者がどのコンタクトポイントをどういう順番で辿ってゴールとなる行動を起こしているか(メーカー直営の販売店へ出向いているか)、という経路を示したマップを作成する。

5.コンタクトポイントの取捨選択と、コンタクトポイント間の行動導線の設計
4で得た遷移図には、数学的に計算されたコンタクトポイント間の繋がりの強さと、どちらが先でどちらが後なのかという順序を示す矢印が付与される。それらの指標に基づいて、ゴールとなる行動へつながる主要なコンタクトポイントとその順序を把握し、コンタクトポイントの選択と行動導線を作成する。

アウトプットの解釈

まず、ターゲットとなる消費者がブランドと接触する接点(コンタクトポイント)を可能な限り特定します。この例では、“TVCM”、“メーカーHP”など10のコンタクトポイントを抽出しました。

次に、市場調査を行い、抽出したコンタクトポイントとの接触状況と、コミュニケーションのゴールとなる“販売店への来店”有無のデータを収集します。このデータは、様々なコンタクトポイントとの接触パターンとその結果としての行動(来店したのか/来店しなかったのか)を紐付けています。従ってこれを解析する事で、「どのコンタクトポイントとどのような順番で接触すると来店しやすくなるのか」を逆算する事が可能となります。

上図は、解析を行い、来店した消費者の来店経路を連鎖グラフによって表した例です。図の矢印は、コンタクトポイント間のつながりの強さと接触の順序を表しています。線が太いほどつながりが強い事を表し、太い矢印でつながれたコンタクトポイント間の経路を、消費者の来店シナリオとして読み取ることができます。

この例では、太い矢印で結ばれている「TVCM⇒メーカーHP⇒車種別特設サイト⇒販売店サイト⇒販売店」という経路が、ターゲット消費者の主な来店シナリオだと読み解くことができます。来店シナリオが把握できることで、『まず、TVCMを見て興味関心を持たせ、メーカーのHPや車種別情報サイトでブランドの理解を深めた後に、スムーズに販売店サイトに誘導し、最寄りの販売店の詳細を確認して来店してもらう』といった、具体的なコンタクトポイントの編成をデータに基づいて発案することができます。

このように、コミュニケーションのゴールとコンタクトポイントのつながりを解析的に視覚化することで、消費者の行動シナリオをデータに基づいて把握することができるため、実際のターゲットの行動シナリオに沿って、コミュニケーションゴールまでのコンタクトポイントの編成と導線設計を検討する事が可能となります。

消費者の購買行動「プロセスをモデル化し、課題を発見する」

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